No.89
Rheum(Raphonticum) foliis Coroatis Glalris Obtusis
(Rhubarb with Smooth Heart-shap'd Leaves
& Obtuse Spikes of Flowers)
ダイオウ（ルバーブ）

版画シートのみ　イメージサイズ 250x355mm
写真はシートのマージンをイメージサイズまでトリミングしてあります。
マットやフレームはご希望により製作いたします。

＜版画の出典作品＞
ジョン・エドワーズ　「英国本草図譜」
1770年　ロンドン　手彩色銅版画

植物図譜の書誌目録の開祖ゴードン・ダンソーンはもともとグラフィック・アートの専門家でしたが、あるときエドワーズの作品を見てその素晴らしさに驚愕し、その作品について調べようとしても何も参考書が無かったため、自らが植物図譜の書誌を作ろうと思い立ちました。　ダンソーンにそれほどの影響を与えたエドワーズ作品ですが、エドワーズは植物の解説よりも植物画自体の方にエネルギーを傾けて作っていたため、それまでは生真面目な植物学者からの評価は芳しくありませんでした。　しかしアートの専門家でもあるダンソーンによって植物画のアート性が注目され、新たな視点から植物図譜の歴史が再認識されたことで、エドワーズ作品の素晴らしさがやっと陽の目を見ることになりました。　ダンソーンはこの「英国本草図譜」を「A fine work with many beautiful plates」と讃えています。
ジョン・エドワーズ（1742年−1815年）は王立アカデミーと芸術家協会の会員で、植物画家であると同時にテキスタイルなども手掛けるデザイナーでもありました。　それゆえかエドワーズの作品には洗練された装飾性がある一方で、デザインされたシンプルさも兼ね備えています。　特に特徴的なのは彩色で、少ない色で平面的な彩色にもかかわらず、強弱の付け方が絶妙で、ゴテゴテしていないのに立体的で分かりやすい植物画になっています。　エドワーズ流と呼んでも良いような独自性があります。　版画のサイズも通常のこの時代のフォリオ判としては一回り大きく、細長く繊細な植物ものびのびと描かれています。
「英国本草図譜」は初期の何枚かの彫版のみイグナス・フォージロンとウィリアム・ダーリングの2人の彫版師の手を借りましたが、それ以外の作画、彫版、彩色はエドワーズ自らが行いました。　またこの図譜は2回再版されており、どれも同じ原版から印刷されていますが、彩色に違いがあります。　ここでご紹介している版画は全て1770年の初版からのものです。

＜出品版画について＞
出品中の作品は全てオリジナルプリントで、現代の複製品ではなく、記載されている年代に実際に作られたアンティークプリントです。
古い版画ですから紙の酸化や湿気によるシミなどの自然なエイジング（経年変化）や、多少の破れや欠けなどのダメージがある場合があります。　海外では著しく損なわれていなければ、アンティークの魅力のひとつである歴史を感じさせる味わいの源として気にされない場合がほとんどです。　もちろん当店では出来る限りコンディションの良いものだけを集めるよう努力していますが、特にコンディションに敏感なお客様はご購入前にご納得がいくまでお問い合わせください。

＜作品のマット装、額装について＞
シート状態の版画にはお客様のお好みに合わせたマットをご希望でお作り出来ますので、別途お問い合わせください。　当店で使用しているマットは作品保護に最適なPH値の高い無酸マットで、作品を留めるテープも大英博物館でも使われている無酸紙テープです。

規格フレームサイズのマット付き版画にはお手頃な価格の規格フレームの在庫がございます。　フリーサイズのマット付き版画には、サイズをオーダー出来るモールディングフレームの準備がございますので、どうぞお気軽にご相談ください。

当店では様々なジャンルのアンティークプリントを常時数千枚在庫しています。　お手頃な価格のものから一流の美術品として通る貴重な作品まで、バラエティに富んだ品物を集めるよう努めています。　こちらではその一部しかご紹介出来ませんので、何かお探しの品物がございましたら、お気軽にお問い合わせください。